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中学生向け学習塾講師からの疑問
先日、同業者の方から以下のようなメッセージを頂きました。
塾講師をしています。
初めてこのブログを見つけた時感動しました。
自分がまさに現場で思うことが、このブログにはたくさん書かれていました。
これからも応援しています。
もしよろしければご教授いただきたいのですが、
公立中学出身で、地方国立大学にいける子は、
中学時代どれぐらいの成績を取っていたのか知りたいです。
私の勤めてるところが、中学コースしかないので検証ができないのですが、
お母さんたちから国立大学に入れたいという思いはよく聞きます。
建前上、どの子も、今から頑張れば可能性はありますよ、と言いますが、
個人的には、中学時代の定期テストで平均8割以上、
もしくは学年で上位10%ぐらいに入っていないと、
国立大に行ける素質はないかなと思っております。
塾長のところが中高の塾ということで
もし検証値がおありでしたら
塾長の見聞をお聞きしたいです。コメント欄より質問
まずは、過去記事にレベル分けをテーマにした記事がありますので、こちらも一読頂けるとありがたいです。
国公立大学へ入学できるかどうかと中学時の成績との関係
結論から言うと、質問をくださった方の予測値と、私の経験はほぼ一致します。
国立大学へ進学するということは、現状の入試制度ですと、数学である程度の点数を取らないと合格を勝ち取ることはできません。
中学の時点で、数学を苦手にするととても苦しくなる現状があります。
中高一貫校、公立、私立中学校、また、学校の規模でも目安は当然変わってきますが、各都道府県の、統一された高校入試の問題レベルはほぼ同じですから、そこを参考にすると、
公立高校入試問題、特に数学で
最低、70点以上をとる力がない人は、国立大学進学を目標とした勉強はお勧めできません。
(つまり、定期テストでは8割以上です)
もちろん、他教科でカバーする方法、推薦を利用する方法、倍率が1を下回る学部も稀にありますから、諦める必要はないと思いますが、一般論として、公立中学校の1学年、100名以上の学校では、
上位、10%~20%以内と言うのは一つの目安で間違いないと思います。
少子化や大学入試制度改革で変わりつつある国立大学への合格ライン
あきらかに合格目安は下がりつつある
しかし、ここ5年、その目安が変わりつつあると言うのも現場の実感であります。
その理由がこうです。
- 公立中高一貫校の普及に伴い、一般の公立中学校の学力低下(優秀な生徒が少ないため先が読めない)
- 少子化の影響で、相対的に国立大学進学が易化している
- 共通テストの傾斜配点の多様化、二次試験の多様化
- 推薦試験合格定員の増加(工業高校や商業高校からも進学できる!)
結局のところ、よほど勉強が苦手で、各教科60点以下、合計300点以下の生徒の場合は、流石に可能性がほぼないが、それ以上の人は諦める必要はないような気もします。(中途半端でごめんなさい)
また、努力を自然にできる人、学校の勉強に対し誠実で苦痛に感じない人、向上心があり体力がある人は、高校であと伸びする傾向を感じます。ですので、一般的な公立中学で、平均点以上はあり、勉強に対して真摯な人は、中学時点であきらめる必要はありません。頑張って勉強して、塾にも熱心に通っても平均以下の人は、あきらめてください。
地頭力で言うと厳しいなあと思っていた生徒が、( 公立入試で300~350点(60~70点平均))
いつの間にか共通テストレベル模試の数学で60%を超えているという経験も少ないですがあります。(全教科60%以上あれば、受かる国立大学はたくさんあります。
しかし、伸びそうだなと思っていた生徒が、いつまでたっても、いくら頑張っても、共通テストレベルで50 %前後で頭打ちしてしまう人もいます。(50%では受かるところは非常に少ない)そのような生徒は、自分の中で、壁を乗り越えようとする力が弱い印象です。素質はあるのに、勉強に真摯に取り組むことができない子がいるのです。
勉強にサボりぐせのある人も、やはり相当に地頭が相当良くないと、国立大学は受からないと思います。(目安は中学時代、適当に勉強してても400点以上はないと)やはり、国立大学は甘くはありません。
難関国立大学を狙える人の特徴
地頭が良く、勉強に対しても誠実で、やらなければならない時に、学習をしっかりできる人、やはり、そんな人でないと国立難関大学は難しいですよね。
私の経験では、国立の難関大学へ行くような学力のある生徒は中学の時から全然違います。決して勉強量が突出して多い訳ではないですが、コツコツと勉強はしている印象です。
そして、やはり地頭の良さを感じます。
塾などおそらくなくても大丈夫でしょう。教科書と、問題集の答えと解説で、一人で学習できてしまいます。ただ、そのような地頭が相当に良い生徒でも高校では、特に最後の1年以上はかなり勉強しないと難関国立大学は受かりません。難関国立大学合格は、地頭の質と勉強量(訓練)、その両方が必要になります。
残念ながら、そのような生徒が一般の公立中学校からは極端に減っているような気がしてなりません。
そのような生徒は、私立や公立中高一貫校に流れている地域が多いのではないでしょうか。
国立大へ入学するために必要な中学時代の戦略とは
まず、中学時にバランス良く、大きく苦手にする教科を作らないこと、これが大切です。中学の勉強で苦しんでいるようではやはり、国立大学入学は難しいと考えられます。そして、微妙なラインにいる人は、勉強へ頑張りを地道に続けながら、推薦を意識した戦略、特に情報収集が大切になるでしょう。
参考記事
勉強ができない子供でも大丈夫!有名大学へ進学させたい親の「5大戦略」