国公立大学へ進学「できる人」と「できない人」の境目

国公立大学は昔に比べ確実に進学しやすい。

推薦枠も増え、センター試験などの模試で実力がないにも関わらず、
また、元は工業高校や商業高校であった学校からでも国立大学への入学を果たすことができる時代です。

それでも現場で教えていると、

やはり、ある一定の学力がないと地方大学といえど、国公立大学へ進学するのは難しいと感じます。

進学できる能力を持つ生徒は全体でみるとまだまだ少数派です。
(私の感覚で、英数国の能力がそろうのは全体の3割に満たないのではと思います)

もちろん
勉強量の問題もあるとは思いますが、

小学校から塾に通い、中学校でも親が熱心に家庭学習の時間をとり、
高校でも教育費をかけて進学校に行かせたにもかかわらず、

もともとの才能(地頭力)がないと、国立大学へ届かない生徒の方が多数派なのです。

その境目はどこにあるのでしょうか?

当サイトでは、
地頭力をレベル分けする考え方を紹介しました。

上記記事のレベル4、レベル3上位の生徒は、国立大学へ向けてたいへん微妙な立ち位置です。
(レベル2、1の生徒は早々と別の道を模索したほうが良いと私は思います)

また、高3になっても後伸びしていく生徒と、
限界に早めに達してしまい、もう伸びない生徒もいます。
(浪人しても成績が下がってしまう生徒は、能力的に限界に達している場合が多いです)

その判断は、目に見えにくく、非常に難しい判断となります。

ここでは、国立大学への進学をあきらめてほしくない生徒と、
あきらめて、中堅私立の上位を目指した方が良い生徒の判断基準を紹介してみます。

①国語(特に現代文)の能力で判断

国語の成績がもともといまいちな生徒で、短期間で大きく点数を伸ばす生徒にあまり出会ったことがありません。現代文中心の国語センター試験模試(マーク模試)で、高3の時点で100点(50%)以上を安定してとれない人は、国立大学をあきらめ、他の道を模索した方が上でしょう。
60点~80点ぐらいが常の点数の場合はたいへん厳しい戦いになります。
逆に、100点ギリギリくらいでも、古文漢文が壊滅的、現代文のみある程度自信がある生徒は、ただの勉強不足なことが多いです。古文漢文は英語と同じで、やれば伸びることが多いです。
中学3年の時点で、現代文読解で70%以下の正解率では厳しいでしょう。


②英語の能力で判断

この教科は、地頭力がなくても、ある程度量を解けば点数が上がってくる教科です。
この教科の場合、勉強にかけた時間量に自信があるにも関わらず、苦手意識が抜けない生徒は国立大学へ能力が足りない可能性があります。

また、英語は暗記が中心なので、理解に時間がかかる数学の勉強に多くの時間をとられてしまっている生徒をよく見かけます。(これはたいへんもったいないです)

能力がある場合、高校3年生で、2か月から3か月英語漬けにすれば(1日8時間英語の勉強)
140点以上(マーク模試)はとれます。
ない場合は、こちらも100点前後になってしまいます。
目安は、能力がない生徒は、単語の意味が頭に定着せず、英文を正確に日本語に訳すことができません。英語の文構造を体得できないのです。
日常会話の英文と違い、大学受験の長文は、大学での英語論文を読むための基礎となる文法を多用していますから、理解できない人にはいつまでたっても理解できません。

ただ、繰り返しになりますが、もし、才能がなくても、量をこなし、向上心にあふれる生徒は乗り越えられる可能性はあります。
こちらも中学3年のテストでは常に70%以上の力は最低限ほしいところです。

③数学の能力で判断

数学が苦手で国立大学をあきらめる生徒は多くいます。

しかし、環境的要因で、数学的センスはあるにも関わらず、あきらめてしまっている生徒もよく見かけます。
例えば、学校の授業レベルが高すぎたり、スピードが速すぎたり、基礎的な理解の説明がおろそかだったりで、数学をあきらめてしまう生徒もいます。
これは、私立中高一貫校に多くみられる傾向です。
また、一般の公立高校でも、中学数学とのギャップに苦しみ早々とギブアップする生徒もいます。

数学的センスは、点数だけでは判断できないところがありますが、
判断基準の参考例を書いてみます。

高2の時点で
・平方完成しなさいと言われれば、少々複雑な式でもすぐに変形することができる。
(高2以上であれば、一瞬でできて当然です。思い出すまで時間がかかったり、忘れている時点でたいへん厳しい)
・サイン120°の値はと聞かれてすぐに答えられる。(ちなみに正解は√3/2)
・場合の数の単元でPとCの違いは?と聞かれてすぐに答えられる。など

1度習っている超基礎知識(特に数ⅠA)を忘れてしまう生徒は、国立大学へ行くためセンター試験の勉強をしても
きっと問題を解けるようにはならないでしょう。
数学的センスにかけていることはあきらかです。
これらの知識は、中間期末テスト対策を少し勉強するだけで十分身につくはずです。

逆に高校数学の基礎の基礎でもしっかり理解できている生徒は、
苦手意識が邪魔をしているだけで、今後、学習の持っていきかたで
「化ける」可能性は十分にあります。

小学校の頃、算数が好きだったか嫌いだったか思い出してみてください。

案外、丁寧にやり直せば、理系国立には進めないまでも、十分得意分野の国立大学には挑戦できるかもしれません。

この①②③
英数国の能力が最低限そろっている場合、まっしぐらに国立大学受験を目指しましょう!
あとは、誰にも負けない勉強量、あきらめない力があれば
合格を必ず勝ち取ることができるでしょう!!

参考にしていただけるとありがたいです。

高校生 国立大学 勉強

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