学習障害の定義とそのグレーゾーンとは
学習障害は、教育分野ではまだ新しい概念で、昔からある特別支援学級に分類される知的障害とは違います。
学習障害(LD)は、学習面で障害がみられるものの、会話能力、判断能力には問題がないとされています。
また、発達障害の一種であるADHD(注意欠陥/多動性障害)と診断される子供たちもいますが、学習障害の症状と3割以上が重複していると言われています。
まず、学習障害とは、勉強面において、一般的な、平均的な勉強能力からは著しく何かが欠けている状態と考えてもいいと思います。あきらかに、大人の何かしらのサポートが必要な状態です。
学習障害(がくしゅうしょうがい、Learning Disability, LD)は、単一の障害ではなくさまざまな状態が含まれる。医学、心理学、教育学の分野にまたがって研究が進められ、それぞれで若干概念が異なっている。バランス感覚を欠き、身体の協調運動の困難を合わせ持つ子も多いため、リハビリテーション医学の分野でも研究が行われている。
種類には、読解(ディスレクシア)、数学(ディスカルキュリア)、書き取り(ディスグラフィア)などがある[2]。
有病者は、イギリスでは150万人[3]。イギリスでは、学習障害看護(Learning Disability Nursing)という学習障害の当事者やその家族を支援する専門分野が、看護学の中に立上っている[4]。
ウィキペディア「学習障害」より
学習障害グレーゾーンの子供たちは増えている
学習障害、またはそのグレーゾーンの子供たちは増えていると言われていますが、実際は、昔から同程度の割合でいたのではないかとも考えられます。少子化や、学級の少人数化、教育の先進化で「できない子」が目立ってきたにすぎません。
最近になって、文科省でも実態把握の調査、そして対策にのりだしているようです。
全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、人とコミュニケーションがうまく取れないなどの発達障害の可能性のある小中学生が6.5%に上ることが5日、文部科学省の調査で分かった。推計で約60万人に上り、40人学級で1クラスにつき2、3人の割合になる。(中略)
調査方法が異なるため前回の2002年の調査とは単純比較できないが、発達障害の可能性がある児童生徒の割合は0.2ポイント増えた。男子は全体の9.3%、女子は3.6%だった。学年が上がるにつれて減り、小1は9.8%だったが、中3は3.2%だった。
日本経済新聞 2012年12月記事より
もし、自分の子供が勉強を苦手にしたらチェックしたいこと
もし、自分の子供が学校のテストの平均点をなかなかとれない。もしくは、すごく悪い点数をとってきて、学校の授業をよく理解できていないようなら次のことをチェックしましょう。
- 基礎的な計算(正負の計算や分数の計算)は確実にできるか
- 国語で読解問題の正解率が低くないか(国語で正答率半分以下)
- 算数や数学の基礎的な文章題で、+、-、×、÷が適切に使え式をたてることができるか
- 中1の中間や期末テストで平均点が60~70のところその半分もとれないことがある
だいたい上記にひっかかりがある場合は、グレーゾーンに入ってくる可能性があります。
そうであった場合は、勉強方法を変えていきましょう。基本問題のみを確実にできればよしとして、計算や基本的な暗記知識を徹底しましょう。すぐに忘れてしまう可能性があるのでコツコツと繰り返して勉強する必要があります。
注意点は、たくさんの勉強時間を強いて、親が何が何でも成績を上げようとしたり、志望校も自分の力より上のレベルを無理に志望しないことです。本人にとってプラスに働かず、さまざまなことがマイナスに働いて、受験に失敗したり、劣等感を必要以上に感じてしまったり、高校以降の勉強に支障が出たりします。
悲観的になる必要はありません。運動が苦手で運動オンチと言われる人がたくさんいるように、勉強が苦手な人もたくさんいて、それは一つの個性です。周りが無意味なプレッシャーを与えすぎたり、罵倒したりしなければ、立派に精神が育ち社会へ出ることができます。
自分に適した高校や専門学校、大学を選択できれば、良い就職先や高い学歴をつけることも可能なのです。私の塾生にもそのような子供たちは少なからずいます。また、機会があれば紹介していきたいです。