算数、数学嫌いを直すことはできないのに世の中嘘の広告だらけ

算数や数学を嫌いな人、できない人が実に多い

塾で教えていると、数学が嫌いな人が一番多いように思う(好きな人も多いのだが)

親にとって、子供にとっても、算数、数学が苦手になると、実に苦しく、進学していくうえで常に課題としてつきまといます。

先日、ある雑誌を見ていたら、

次のような記事を目にしました。

「算数が1週間で得意に!」

と大きく書いてあります。

思わず

「いいかげんにしろ!!」

「嘘つくな!!」

って突っ込んでました。

少し、複数の子供たちに算数や数学を教えていた経験のある人ならば、だれでもわかります。

「そんなことは無理」

と、

いくら、雑誌を売りたいからと言って、あまりにも安易な誤解を受けやすいタイトルです。

本職である私は、腹立たしい気分になりました。

記事に書いてある内容は、算数に取り組みやすくするきっかけを作る話であったり、簡単にできる注意点であったりするもので、

そんなことで得意になるならだれも苦労はしません。

 

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数学嫌いに漬け込む教育商売

もし、本当に1週間で「得意」にできるなら、世界的な大発見かもしれませんね。

まあ、それは読者の方もうすうす気付いているのかもしれませんが。

成績を伸ばしたり、「苦手克服」ということを、

外部的な要因で、意図的に起こすということは、簡単ではありません。

世の中のメディアや広告には簡単であると錯覚するような文言が溢れていますが)

ましてや短期間で起こすというのは、相当なエネルギーを要するでしょう。
それに、伴い、子供が潰れてしまうリスクも背負うことになります。

塾や教材の宣伝文句は、それを売るためのものがほとんどです。

簡単に騙されないようにしなければ、目移りばかりして、そして、成績が上がらないことを他人のせいにしてしまいます。

 

簡単には治らないことを知るべき

正直に言いましょう。

学校の先生や塾講師の力では、

算数や数学が苦手で嫌いの「嫌い」という部分を直すことは、不可能とは言い切れないまでも簡単ではありません。

そして、苦手を得意にすることや、数学を好きにさせることは、ほぼ無理です。

小学高学年以上の子供たちで、数学が苦手から得意に変わるケースを私は見たことがありません。

得意から苦手や嫌いになるケースはありますが。

低学年の子供たちは今後嗜好が変わったり、成長段階に個人差があるので、可能性がないとは言えませんが、低学年の段階から、数学的センスはある程度わかる場合がほとんどです。

そして、もし、「算数嫌いを直す」ことに成功するとしても、

それには相当な時間がかかります。

一生治らない人も多いでしょう。

勉強もスポーツも同じです。努力すれば必ずできるようになるものでもなく、
どうしても、持って生まれたセンスや能力に影響を受けます。

それは、好き嫌いにも多分に影響し、嫌いなものはそう簡単に克服できません。

もちろん、生物学の突然変異のように、何かをきっかけとして、自分の内面に気付き、
強烈な意思を持って、数学が得意になった人もいるにはいます。

そして、そのような人が書いた著書を手にすることもあります。

それは例外中の例外で、期待してそうなるものではないと思います。

しかし、

数学嫌い」になるのは、日本の教育システムが影響している場合も多く見られます。

好きになる素質や、数学的センスがあるにもかかわらず、嫌いになってしまっている場合もあります。

この場合は、教育システムや親の教育方針に大きく影響を受けます。

このような子たちには、救いの手が必要でしょう。

ただ、

教育システムのせいで、数学嫌いになるのは、

中学受験のために、無理やりに難しい問題を解かされ続けた場合や、
中高一貫校の必要以上の応用問題、スピードの速さについていけなかった場合、
数学の面白さを無視した、受験テクニック優先の数学授業を受け続けた場合などであって

一般の公立小学校や中学校の授業についていけない子供たちは、あきらかに数学的センスに問題があるわけですから
ますます数学嫌いを直すことは難しいでしょう。

しかし、教育システムに愚痴を言っても、子供たちの将来は開けません。

どうしても受験に数学が必要な場合はどうすれば良いのか?

そして、可能性が低いにせよ 数学嫌いを直すには、どうすれば良いのでしょうか?

 

では数学嫌いになったらどうすれば良いのか?

以下に、

数学、算数嫌いを直す、5ステップを紹介します。

興味がある方は試してみてください。

①必要以上に算数や数学を「嫌い」にさせないようにする。

テストの結果を見ても怒らない、ミスを責めない。
少し頑張れば解けそうな問題は、根気強く一緒に解いてあげる。
結果ではなく、努力を誉めるなどの対策が有効。

②考えることの面白さを伝え続ける。数量のイメージを大切にする。

文章題をわかりやすく、面白く解説する。手間を惜しまず、図や模型を使って。
親ができない場合は、映像授業などを利用すると良いかもしれません。
ただし、本人に向上心がないと難しいです。
親子の会話の中にも工夫がほしいところですね。

 

③とりあえず、計算だけはしっかり練習させる

小中高、どうしても数学の基本は計算です。

「習うより慣れろ」

これは、やらせ続けるしかありませんね。叱ってでも
ポイントは、速さではなく、暗算でもなく、途中式をたくさん丁寧に大きく書いて、ミスなく一問一問を解くことです。

④本人にとって理解できない難しい問題は後回し

何度やってもできない単元は、基本的なやり方だけ、もしくは公式だけ丸暗記。
そして、頭がパニックになるような応用問題は最初から解かない。
解ける問題だけを解いて、それを忘れないようにする。

これだけでも案外点数はとれるようになり、少しは気分が楽になります。

⑤気長に待つ

すぐに結果を求めないことは大切です。
高校受験や大学受験で本当に数学が必要になったとき、本人の向上心や危機感に、大きな火が灯ると、成績に劇的な変化が訪れる場合があります。
それまで①がとても大切になります。
必要以上に数学嫌いになると、拒絶反応を起こしてしまいます。

簡単な基礎を積み重ねる。それだけで十分です。

きっかけは十人十色、何がきっかけになるかはわからないものです。

最善を尽くして、後は見守りましょう。

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