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中学受験のテキスト選びは非常に難しい
親自身がテキストを選ぶということは大変難しいことです。
その理由として挙げられるのが、これ一冊で中学受験は大丈夫だというテキストがないことです。
小学校での勉強内容と中学受験の勉強内容は大きく違います。学校では習わない知識をたくさん知っていないといけませんし、そもそも問題のレベルが全く違います。また、私立の中高一貫の中学受験と公立の中高一貫校でも対策方法が違います。私立は学校によってレベル差が大きく、偏差値の高いハイレベルの学校では、かなり特殊な算数の解き方や、理科社会の細かな知識まで要求されます。公立の中高一貫校では、適性検査と呼ばれる、国算理社が融合した、独特な総合問題が中心となり、読解力はもちろん、算数の思考力がハイレベルなものまで問われます。
また、中学受験をする場合に共通してることは学校の授業内容よりもはるかに難しい内容が中学受験では出るということなので、勉強ができる子とできない子には大きな差がある中、小学校の内容がどの程度習得できているかによって、また、現時点で何年生で、どの程度予習などに時間をさくべきかによっても大きくテキスト選びは変わってきます。
中学受験ではプロでも、「あなたならこの一冊」と絞り込むことは難しいのです。
学校の内容でほぼ満点とることが中学受験の条件
小学校、特に公立の小学校で、普通の授業内容に苦労しているようでは中学受験用のテキストはまず取り組むことが苦しく、無意味になったり無駄になったりしてしまうでしょう。
まずは学校の授業でしっかり点数が取れてない人は、中学受験前にそちらの方を集中的に取り組んだ方がいいと思います。ただ、わざわざ対策しなくても、100点取って当たり前ぐらいの力を持っている子でないと、中学受験をする意味はあまりないかもしれません。
もし、小学校3年生4年生の時点でその力がない子は、「中学受験はやめたほうがいい」というのが塾講師の本音です。それくらい、受験問題はハードな問題が多いということです。
ただ、人によって中学受験の理由はさまざまでしょう。学力や学習センスがないにも関わらず、どうしても中学受験をしたい人は、偏差値が低い、比較的受かりやすい学校を視野に入れましょう。偏差値が低い学校狙う場合であれば、難しい問題を解く必要はなく、基礎固めをとことんすれば合格を勝ち取ることができます。周りが同じレベルだからですが、その後、中高一貫校や、その学校の利点を使って成長すればよいのです。
学力がないのに無理をすれば、子供の心が傷付き、必要以上に勉強嫌いになってしまうだけです。
この場合のテキスト選びは、小学校の教科書内容と同等くらいのテキストからはじめて見ると良いでしょう。親が、これらのテキストを解いていて、この子は余裕で解けているなと感じれば、一般の塾用テキストがおすすめです。
小学校、中学校では、塾用テキストのほうが一般の市販されているテキストより充実していることが多いので、塾に通っているようであれば、塾で購入してもらいましょう。
中学受験では、まず予習テキストを選ぶ
小学校の勉強だけでは物足りず、中学受験に、本格的に取り組みたいなって思う方はどうすればいいか?
まずは、学校の授業は中学受験とはほぼ関係ない、つまり学校の授業は授業でしっかり受けてもらいながら中学受験の勉強に取り組む。これが中学受験のスタイルになります。そして、どうしても学校の学習スピードが遅いため、予習が必要になってきます。
中学受験の問題はとても難しいので、小学校6年生の夏休みあたりからは、小学校の知識を全部使って受験問題レベルの問題をたくさん解いて、難問に慣れて行きたいわけです。その場合、その頃までに、小学校で習う知識はすべて予習しておかないと過去問や、同じレベルの問題が解けません。新しい知識を習ったすぐに、受験問題でそれを使うことは現実的ではありません。通常より早めに基礎知識を予習しておいて、小6の夏休みにはその知識を使ってどんどん問題に取り組み、受験レベルの問題に慣れなければならないのです。
また、学校で習ってないことも中学受験の問題にはたくさん出てきます。公立校中学受験では知識的にはならっていることばかりですが、難易度は通常の学校の問題とは雲泥の差です。理想では、小学校5年生のから6年の始めには6年の基礎内容(分数や比の扱いなど)は全部終わってしまって、特殊な中学受験の問題ばかりに取り組みたいところです。特に算数はこの予習が優先されます。理科社会は、予習もある程度で構いませんが、細かな知識の暗記が必要になってきます。特に私立受験ではこれが顕著です。
ですから、中学受験塾は拘束時間が長く、毎日のように塾があり、塾なしでは中学受験は乗り越えられないと言われるのです。
中学受験の予習に適したテキスト
公立中高一貫校を目指したとしても、私立中学受験を目指したとしても、予習には下記テキスト一択で良いのではと思います。基礎的な知識から、トップ校の受験問題レベルまでを網羅しています。
この問題集を、自分の子供のレベルに合わせて問題を選択していきます。かなりの難問まで掲載されていますので、すべてを解ける人はなかなかいないと思います。よほどの難関校を志望しない限り、難問は飛ばしながらでも良いと思います。
具体的な問題の選択方法を知りたい方は、本記事最後にリンクを貼っていますので、そちらの定期マガジンをお読み下さい。
本屋で有名な本は下記、「自習自在」になります。親が教える場合、親が予習するテキストにちょうど良いかもしれません。先程も言いましたが、こちらのテキストも難問が多く、こんなの小学生に解けるのか?と親は感じると思います。そう感じた問題は、よほど天才の子供でない限り解けませんので、まずは、基本を進めれば大丈夫です。
後は、問題集をレベル分けして用意
予習するテキストを一冊決めたら、あとは、子供のレベルに合わせて問題集を用意して、日々の学習に取り組みます(小学6年夏頃まで)。また、これらレベル別のテキストを併用しながら受験勉強を進めている人も多いです。
小学生の問題集を次のようにレベル分けすると良いでしょう。
- 教科書レベル(一番基礎、これに手こずるようでは中学受験は難しい)
- 基礎レベルプラスちょっとした応用問題まで(一般小学生用の塾専用教材がこれに当たります)購入希望の方は、通っている塾に尋ねるか、フリマサイトなどでも手に入ります。
- 中学受験専用教材(主に私立受験用で、かなりの応用問題まで含まれ、基礎問題はそんなに多くありません。公立志望でも使えますが、どちらにしても問題の取捨選択は必要になってきます。)
- 公立中高一貫校受験(適性検査)用問題集 (基礎がある程度できる子は取り組めますが、小学6年になってからで良いと思います。こちらも塾専用教材です)
これらのテキストを予習の定着に使ったり、復習に使ったり、飽きてきたら目先を変えながら、子供の出来具合で臨機応変に使い分けましょう。
もう少し細かく知りたい方は、最後に紹介する私が運営するマガジンなどをご参照下さい。
小6夏からは志望校過去問レベルの問題を
小6の夏頃までには、基礎的な問題はすべて解き終わり、ここからは志望校のレベルや自分の実力に応じて、受験問題に近い実践的な問題、過去問や志望校別の対策を本格的に始めましょう。
私立の中高一貫校、公立中高一貫校、附属中学とそれぞれ対策問題集が出ています。また、だいたいの学校では合格目標点数が60点くらいに設定されていることが多いようですので、あまりできないからとあせらず、できそうな問題を確実にとっていくこと、それが合格に一番近いやり方です。
また、下記有料マガジンでは、本記事で紹介した四谷大塚予習シリーズ問題集の使い方を動画を使いながら説明しております。公立中高一貫校マニュアルというタイトルですが、私立中学受験勉強を今からスタートさせる方にも向いています。興味のある方は下記からお越しください。
公立中高一貫校受験マニュアル(4・5・6年向)(有料マガジン)
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