成績が上がらないから塾の時間数を増やすという選択のリスク

成績が上がらないと塾の時間数を増やしたくなる

私の塾でもよくあります。塾に通い続けているのだけれども、なかなか成績が上がらない効果が上がっているように感じない。だから少しでも塾で勉強する時間数を増やして効果を上げようとします。親たちは、子供の成績を上げようと必死です。

この選択が「最悪」になってしまう可能性があります。

なぜでしょうか?

  • 成績が上がらない原因が特定できていない
  • 原因が塾以外にあることが多い

 

成績が上がらない原因にはいろいろとあります。たとえば、本人のやる気がない、学習能力がない、学校の勉強についていけていない、一時的なもの?そして、やる気がないのはなぜか? 学習能力はどこが弱くてどこが大丈夫か?学校の勉強のどの部分が遅れているのか。やる気がないのは、家庭環境が原因であることが多いため塾ではどうしようもありません。

また、親は、子供の成績が悪い場合、そこから目を背けようとする傾向にあります。あまりにひどい場合は、原因を探すことを放棄して、塾に丸投げすればよいと考えてしまいます。丸投げされた塾は、「成績を上げろ」という親の指令に無理を感じて、他の対策が必要なことがうすうすわかるのだが、「この子の成績を上げることは無理です」ということができないため、惰性で教えてしまうのです。

スポンサーリンク

ほとんどの塾は利益優先になりがちです

塾は、ビジネスとして利益を上げなければいけません。

極端な話をすると、成績が上がらない子は手間ばかりかかりますから。腹黒く言えば、親がもうやめると言うまで、できるだけ手間をかけずに塾に在籍させるのです。

よく塾を観察していればわかります。惰性で授業をやっている場合は、時間を増やしも全く無意味です。転塾を考えたり、家庭教師に切り替えることも一つの手ではないでしょうか。

これも、やはり、親が手間をかけて、様子を確認しなければなりません。

現在の塾の時間で出ている成果を確認しましょう

塾の時間が少なくても、効果が出ている部分は必ずあります。その部分が何かを探してみましょう。成績が上がらない原因が特定できていないのと同時に、効果が上がっている部分が見えていない場合も多いです。

成績が下がっていると、「なぜ塾に行かせているのに成績が上がらないの?」と考える親は非常に多いです。この発言は、まったく子供のことがわかっていない証拠です。こちらが必死で解説し、宿題を出しているにも関わらず、次の授業では、初めて聞くかのような表情で、平気で「この問題わかりません」という。(非常に教えている側のやる気を削ぐ)そのような子供たちはたくさんいます。

それでも、繰り返ししなければ、成績はどんどん下降線をたどってしまいます。学習をやれば、どんな生徒も少しは効果があるのです。塾に来ているから「成績の落ち」がその程度で済んでいるのですが(コストパフォーマンスは人により大きな差がありますが)他の子供と自分の子供を比較する親は納得がいきません。

「この塾に通わせても成績が上がらないので他の塾にしようかしら?」「きっと、もっと時間数を増やせば成績が上がるはず」そう短絡的に考えてしまう親が多数います。

逆に かしこい、よく子供を分析できている親はそれがわかっていますから、「成績が悪くてもおしりをたたいて、この子を励まし続けてください。塾に行かせないと家ではどうしようもありません。わからなくても、なんとか繰り返しするしかないのでお願いします。手間がかかる子ですみません。」この「手間がかかる子ですみません」を本気で言える親は、塾側に響きます。こちらの苦労がわかってくれているから、多少なりとも、その子供のためにさらに頑張ろうという気になります。

また、具体的に「数学の解説が家ではできないので、塾でわからない問題を個別指導で解説されて、少しでも効率的に理解ができるようになった。成績は上がらなくてもそれを続けたい。また、理科も同じような解説をしてもらいたいので時間数を増やして対応してほしい。」のように、はっきりと、効果と狙いがわかっている場合は塾の時間を増やすことは効果的です。

原因がわかって成果を確認できていれば時間を増やしても大丈夫

無理をして塾代を捻出し、その金額に見合う成果を期待する。これは当然のことだと思います。しかし、それが行き過ぎてしまうと、子供だけでなく、家庭が悪循環のパターンに陥りかねません。

塾の量を増やし成績が上がらなかった場合、親である自分のことは棚に上げて、子供本人を攻撃することはもちろん、上がらない原因を塾のせい、学校のせいにし、そして自分が払ったお金は無駄だったと結論付けます。こうなると、立派なモンスターペアレントです。

そうなってしまわないためにも、まずは、冷静に子供の状況を分析しましょう。そして、成績が上がらな原因をできるだけ特定してから塾に相談します。もし、子供の成長段階が親の期待に追いつかないときは、親自身の考え方を改めたり、家で、親自身で勉強を教える時間を持ったり(中学2年くらいまでならその気になればできます。)進路選択を熟考します。いろいろな方法が世の中にはあるものです。子供や周囲に原因を押し付けるのではなく、まずは自分でできることを見直してみましょう。少し落ちついて、できることから一歩ずつと考えると、好循環が生まれます。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう