まったく勉強しない中学生を「変える」プロの作戦

まずは子供の能力を冷静に分析

私の塾にやってくるお父さんお母さんの半数は、子供は家でまったく勉強しないと言います。中学生になると、親が厳しく言っても言うことを聞かず、反発するだけで勉強しないことがほとんどです。

いったいどうすればいいのでしょうか?

中学2年の後半あたりからは、学習内容も難しくなり、家庭学習をしないと取り返しがつかないくらいに遅れてしまいかねません。

まずは、子供たちを、細かく分析することが求められます。

客観的に、冷静に、向き不向き、性格、持って生まれた能力を分析してみてください。

分析したら、その症状に合わせて作戦を立てましょう。

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作戦を立てる

学校授業内容の基本さえわかってなく、一人で学習が進められない状態

この場合、やる気にならないのは、勉強を好奇心を持って取り組む能力にかけているため、とにかく勉強が面白くなく、したくない状態です。

もしくは、あまりにもわからなくてどこから手をつけていいかわからない。教科書を読んでも意味がわからない。一人ではどうしようもない状態です。

学校の授業もほとんど聞いていないでしょう。

このような中学生の場合、厳しく接すれば接するほど、反発し、勉強から遠ざかってしまう傾向にあります。

怒られても、自分自身でどうにも脱出できないから、反発しかできないのです。

やる気にさせるには、時間が必要です。

では、どうするか?

プライド刺激作戦と、好きなものから突破口です。

まずは、少しでも得意な教科(5教科のうち)を、ご褒美作戦や、褒めることで、その教科だけでも平均以上、もしくは上位を狙います。

ここは、がまんして、他の教科は目をつぶりましょう。

怒らず、成果が出た教科だけ褒めてやると、中学生は自信がつき、その自信が相乗効果を生む場合があります。

ある程度、良い点数がとれるようになれば、他の教科へ自分から目を向ける気持ちも芽生えてきます。

また、勉強以外の好きなことに絡めて、得意教科を作る手もあります。もし、三国志や信長の野望など、歴史もののゲームが好きであれば歴史に取り組みやすいし、サッカーが好きであれば、ヨーロッパの各リーグの試合を見せて、その国に興味を持たせ、地理の勉強に繋げていきます。

マンガや、映画、テレビなど、何か熱中するもののなかから、学習につなげていくことは、実は、親の努力次第でいくらでもできることがあります。

 

学校では授業を聞け基本はわかっているようだが、家ではまったくしない。

最低限の宿題などは難なくこなすが、それ以上しようとしない。成績は乱高下する。

このような場合、実は、内心勉強をしなきゃと思っているか、それとも受験はなんとかなるだろうと過信ぎみな子供たちが多い。

この場合の対策は、「危機感をあおる作戦」がおすすめです。

集合塾に通わせて、成績の上位の人と競わせたり、いかに、勉強ができることが人生での成功を掴めるか、また、自分のやりたいことが実現できるかを熱く説明して聞かせる。

偏差値の高い大学へ行くことが、どれだけすばらしくて、どれくらい人にモテるか(異性を問わず)など。

この手の子供たちは、「勉強しなさい」というより、将来の話に興味があるはずです。

今の学習状態では、「やばい」ことを遠回しにわからせていくのです。

親が考えるよりしっかり者のことも多いので、これから先の自分の進路に、興味を持たせる工夫をすることです。

何かきっかけを掴んだら、自分から勉強を始める子も多いです。

もちろん簡単にはいかないでしょう。しかし、単純に怒ってしまうより、外堀を埋めるように少しずつ、着実に危機感を煽りましょう。直接口で言うのでなく、憧れるような人の人生を見せたり、刺激を与え続ける工夫が必要です。

あきらめず、親も自制して、子供を信頼し、責任を持たせるように仕向けましょう。

周りに流されて自制心がなくやる気がないように見えるタイプ

このタイプは、自制心が弱い。または、競争心が少ない。どうしてもダラダラしてしまう。

ここは、親がしっかり管理することが得策かもしれません。

理想は、厳しい部活動などで揉まれ、精神的に逞しくなることですが、現実的には、そうも上手くいかないでしょう。

朝ごはんをしっかりとり、運動をする時間を決め(毎日ではなくても外でのアクティビティーを多くする)、体調に気をつけることが重要になってきます。

寝不足や部活動のやりすぎで、疲れて勉強をする気にならない子も多いので、そのような場合は、上手く息抜きをする方法を考えましょう。テレビをダラダラ見ているからと言って、頭ごなしに怒ってはダメです。

勉強は、親や家族がいるリビングで時間を決めて(まずは短い時間から)、習慣付けます。

メリハリをつけた行動が求められます。

旅行や、イベントなど、本人が行きたがらなくても、感情を揺さぶられる新しいものに触れることもいいかもしれません。

身近にいる人が、厳しく温かく、粘り強く接することで、必ず良い方向に学習習慣が身につくでしょう。

最後に

同じやる気がなくても、子供にとっては、さまざまな原因があり、また、人により、対策は大きく変わってきます。

思春期が対応を難しくしていることもあるでしょう。

ひとつ言えることは、苦しい時もあきらめず、対策を考え、工夫し続けていれば、思うようにではないにしても、結果は良くなっていきます。

我が子を「ダメな子」と決めつける前に、少しハードルを緩めて、一歩ずつ前に進めることが継続のコツです。

塾に行けば勉強にやる気が出る、わかりやすい教材が必要、良い学校や塾の先生が必要、厳しい指導が必要 などなど。。。

世の中の、稀な成功例に踊らされ、目の前の子供に合った対策を忘れはいけません。

しかし、その思いは大切に、工夫を続ければきっと良い方向へ進むことができます。

 

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