簡単ではない勉強の習慣をつけること
やる気がない子供をやる気にさせるのは塾の講師にとっても難しいものです。特に思春期が始まった中学生は難しく、一時的に、その場を誤魔化し、勉強をさせることは簡単です。しかし、それを継続させるとなると、至難の技だったりする。また、だらだらしている態度をみると、教えている側も苛立ってしまう。教えていると、こちらの精力が吸い取られていく気分がする。このように、思春期を迎えた勉強へやる気のない子供たちに大人たちは悪戦苦闘する。
毎日接する親たちはもっとたいへんであろうと思います。しかし、人一倍態度が悪い子供たちは、やはり、それにはそれなりの原因があるものです。家庭環境になんらかの問題を抱えている場合も多い。
毎日子供たちと接していて思うのですが、勉強習慣がついていない子供たちは、相当数多いと思われます。「隣の芝生は蒼い」と言いますが、勉強してそうなクラスメイトも、案外家の中では親とバトルしていて、勉強嫌いな子は多いのです。
それだけ勉強習慣をつけることは難しい、勉強習慣が付かないのは「うちだけではない」と安心しましょう。
勉強を習慣にできない原因の主なもの
まずは、真摯にやる気のない原因を探りましょう。おそらく、どの子供たちも勉強の習慣ができない理由は下記にあてはまるのではないでしょうか。
- 学校の勉強が面白くない、意味を感じない
- 単純に勉強がわからない
- 親や教師が気に食わない
- 部活などで体が常に疲れている
- ゲーム依存症
- スマホを含めた友達とのコミュニケーションに必死
これらの理由が、複数重なっている人も多いでしょう。そして、対策は個々の子供たちにより違い、簡単には解決できるものではありません。
今の状況を改善していくため「心がけたいこと」とは
しかし、親としては、ぼーっと指をくわえて今の状況を見ているわけにはいきません。どうすれば良いのか?
状況は楽観できませんが、解決することは不可能ではありません。下記に大切なことを上げてみましょう。
- 長期戦を覚悟し、決してあきらめない
- 周囲と比較しない、過去の状況より一歩でも進んでいたら良しとする
- 勉強時間は短くても良い、継続ができるかが大事
- 感情的な判断はできるだけ避け、バランスを大切にし、子供を追い詰めすぎず、放任しすぎない
- どんな状況でも愛情をたっぷり持って説得し続ける(表面上変わっていないように見える子供たちもボディブローのように、じわじわと考え方が変わっていったり、親の気持ちが伝わっていきます)
- 人前で子供をけなさない(塾講師をしていると時々出会います。子供たちは傷ついています)
理想のようにはいかないことを覚悟して、少しの前進を認めることができるようになれば、その積み重ねで大きく変わってきます。いきなり理想を押し付けないこと、それを親自身が誓いましょう。
家族で一緒にいるところで勉強をさせることが理想です
いわゆるはやりの「リビング学習」というものです。
なぜリビング学習が良いのでしょうか?そして注意点は?
- 親も自分磨きの勉強もしくは仕事を子供と一緒にすることが大切
- 家族全体で、約束の時間を作る(短くて良い、継続が大切)
- 勉強内容に口出ししない(聞いてきたら別)
- 途中で集中が切れても怒らない(座って、最後までやろうとしていたらOK)
要は、家族全体で勉強することで、お互いがお互いを支え合い、そして監視することができ、自制心が成長し、習慣がついていくわけです。
子供一人の力だけでなく、家族の力を合わせることで習慣を作り、みんなが成長する。これが、理想です。あきらめず、少しずつ挑戦してみましょう。