中高一貫の体系数学問題集についていけない場合の対処法

中高一貫校でよく使われる体系数学とは

中高一貫校では大学入試に備え、高校数学の知識を前倒しで無理なく学習できる「体系数学」を採用している学校が多い。これは、私立に限らず、公立の中高一貫校でも導入されている。

この本は、代数編(関数中心)と幾何編(図形中心)に分かれており、教科書と問題集がセットになって、1~5まであります。内容は、数Ⅲまで学習できるようになっていますが、学校によっては、3までしか使わないとか、教育方針により使い方はさまざまです。ちなみに高校数学は、文系理系ともに数Ⅰ 数A 数Ⅱ 数Bまで単位習得が必要で、理系は数Ⅲまで必要となっています。

一般的な公立中学校では、中学2年生で三角形の合同についての証明を習いますが、この体系数学問題集では、証明はもちろん入っていますが、それに加え、通常中3で習う相似の証明、円周角の定理も早々に終わらせ、下記のような数Aで習う、チェバ、メネラウスの定理を中学2年から3年の初めには習うことになります。

 

難易度はというと、教科書の方は、一般的な基礎知識で解ける定番問題が多く掲載されていますが、問題集は発展問題、C問題などのカテゴリーがあり、量、質ともかなりのレベルの問題が掲載されています。それこそ発展問題までついていける生徒は、難関大学が十分視野に入る生徒たちです。

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難易度の高さに早々とついていけなくなる子供たち

公立中学校の一般的な問題レベルと、この体系数学問題集の発展問題とでは、大人と子供ほどの差があると言っても過言ではありません。

当然、中学入試を勝ち抜いてきた子供たちでもあっても、この問題についていけない子供たちはたくさん出てきます。いや、むしろ、学校の速度に合わせて、この問題集をしっかりと使いこなせている子供たちは少数派といってもいいかもしれません。

それでも学校側は手を緩めてくれません。難関大学や、医歯薬系大学の合格実績を伸ばすためには、なんとかこの発展レベルの問題を解いて、高校2年の時点では英数国について大学受験知識を終わらせ、高校3年の1年間を志望校対策に使いたいからです。

しかし、理想と現実のギャップは激しく、一部の超優秀、一流の中高一貫校以外では、上位と下位の差がどんどん開いて、下位の生徒たちは、数学が何もわかっていない、一般の中学のカリキュラムの基礎内容さえ習得できていない状態という学校も多くあります。

体系数学問題集についていけなくなったときの対処法

問題を選んで解く

周囲の速度についていけるにこしたことはないですが、勝負は高2から高3です。中高一貫校は大学受験がメインになりますが、自分が将来、どのレベルの数学まで必要かで、問題を取捨選択しましょう。

まずは、教科書レベルの問題を繰り返し解くことです。体系数学の教科書は、通常の教科書と同じ程度の問題数で、要点をまとめてくれています。問題数をこなすことは必要ですが、まずはこの教科書ができたらよしとして次に進んでも構いません。問題集に手を出して、難しい問題に手間取っている間に、テスト範囲すべての基礎問題をマスターせず、テストを受け、そのまま次の単元に進むことは最も危険です。借金が降り積もっていつか爆発してしまいます。

まずは、基礎的な公式、公式の使い方、その単元の考え方の基礎だけでもテスト範囲を終わらせていきましょう。その先、高校2年、3年でいくらでも追いつくチャンスはあります。

もし、学校側の宿題で、難易度の高い問題が出るようなら答えを写しておけばいいのです。但し、それには基礎的問題はできておくことが条件です。

数学は公式だけ覚えておけばなんとかなる

難しい問題に頭をかかえて悩んでいる人は、それは解けなくても大丈夫なんです。

学校側は、あくまでも難関大学理系学部の力をつけようとする学校がほとんどです。中学校のうちから、または高校1年生程度で、そこまでの難易度の問題に悩んでも意味がありません。数学が嫌いになっていくだけであまり意味はないでしょう。ついていける人は頑張れば必ずいいことが待っていますが、

ついていけない人は、とりあえず、公式と、公式の使い方だけ頭にたたきこんでおいてください。

特に、高校内容の問題は、公式をマスターしているだけで、受験勉強が随分やりやすくなるものです。大学受験の1次試験(現センター試験)などは、公式に毛の生えた程度の問題ばかりです。公式をマスターしていて、問題演習をすれば、短期間で結果を出すことも可能です。受験前に難問は解くつもりで何ら問題はありません。

難関大学理系を目指す場合は別ですが、それでも人それぞれ成長に個人差があります。案外、今はやり方を丸覚えして強引に解き方だけ覚えておけば、大学受験前にもう一度復習した時に、合点がいく、納得できることはよくあることです。

スポーツ選手が無理をして怪我で選手生命が絶たれることがあるのと同じように、数学は無理やりでは成長がありません。

数学ばかりに時間をとられている人へ

数学は時間をかければ点数が伸びるという教科ではありません。残念ながらその概念がしっかり理解できて、問題が意図することがわかるようになるまでには個人差があります。中には、いくら勉強をしてもそれが上手くいかない人もいます。それは仕方がないことです。

あまり、数学にストレスを溜め、限りある意志力を使い果たす前に、他の教科に目を向けましょう。

特に英語は、勉強の時間に比例して知識が増えていき、結果が出やすい教科です。やればやるほど、知識が定着するはずです。どの学部大学でも受験科目に英語があり武器にできます。

中高一貫校では、ときどき、英語はそこそこに、数学ばっかりに勉強時間をとられている人をよく見ます。

正直にもったないなあと思うこともしばしばです。目の前の中間期末テストももちろん大切ですが、それで大学受験は上手くいかないことの方が圧倒的です。長期的視野で計画をたて、数学はそこそこに得意教科をお座なりにしないよう気をつけましょう。

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