子育てと子供の地頭の関係は?
子供の地頭が悪いのは子育てのせいか?
結論から言うと親の子育てはあまり関係がないようです。幼児期の子育てとして、最善策とされる、「読み聞かせ」をたくさんしたからといって地頭が良くなるとも限らない。これが科学的な結論のようです。
この科学的な根拠は、何度か当サイトの記事でも紹介してきた、行動遺伝学によるものです。ただ、私の経験上も、幼児期に教育熱心であった親、もしくはなかった親の影響で、学習センスが良いとか、悪いとか、因果関係や相関関係を感じたことはありません。
結局は持って生まれた遺伝子、親から引き継いだ遺伝子が悪かったというのが本当の理由になってしまいます。残念ながら。。。。
子供の地頭が悪いのは仕方がないこと
これを聞いてショックを受けないでください。あなたの遺伝子が悪いという言い方をするとショックを受ける方もいるでしょう。
しかし、遺伝の影響があるのは、知能や才能だけでは有りません。見た目が良い、悪い、身長が高い、低い、太りやすい、痩せやすい、病気になりやすい、体力がある、あれも、これも全て「遺伝子の影響」です。性格でさえ、環境より遺伝の影響が大きいと言われています。
世の中、一般的に、常識として、みんなうすうす知っています。東大京大出身の両親、お医者さんの両親を持つ子供たちが、優秀な成績をとってくることが多いことくらい知っています。
つまり、遺伝子の影響から人間は逃れることができません。
つまり、自分の遺伝子が悪く、子供の地頭が悪くなったからといって、ショックを受ける必要はありません。見た目が少々悪くたって、世の中上手くわたっている人は五万といるわけで、逆に良くても不幸せな人も五万といます。
人間、全ての人は、すべての分野で、持って生まれた才能をどう使うか?与えられたパイで勝負しているのです。
問題は、努力不足と決めつける社会
問題なのは遺伝子がたまたま悪かったせいで、
どれだけ努力しても平均点すら取れない子もいるということを、親や学校や社会が認めないことです。遺伝的に勉強に向いていないことを「努力不足」で片付けられてしまうことが、どれだけ多いか。。。。
勉強が優秀な人に注目しがちですが、勉強が優秀な人が、必ず、優秀でない、点数がとれない人より努力をたくさんしているわけではありません。たまたま才能に恵まれて、普通にしてれば高得点がとれる人がたくさんいます。
勉強が苦手な適性がない子にとっての勉強の苦しさを、努力を理解できる人は少ない。
残念ながら、これは努力ではどうしようもないのにも関わらず、「努力しなさい」と言われ続けている子がたくさんいる。
これが問題なのです。
努力とはいったいなんでしょう?
「地頭が悪い」と言われる子供たちの親はその方向性を、もう一度考え直した方がいいはずです。
勉強に適性がない子供の親の対処法とは?
もし、あなたの子供がこういった状況に陥ったとしたら、
平均点すら取れない、勉強に適性がない子供だったとすれば?
どうすればいいのか?
それは、あなたが子供を守る必要があります。子供の心を守れるのは親であるあなたしかいません。
もし、毎日勉強をしなさいと子供に追い打ちをかけては、さらに事態を悪化させます。気持ちはわかりますが、「勉強しなさい」と言い続けることは、何の解決にもなりません。
もし、遺伝的に勉強に適性がないと判断したならば、できるだけ勉強は最低限にしておきます。ここでいう最低限は、その地頭の程度によりひとそれぞれレベルは違いますが、数学ならば計算だけはできるようにとか、国語ならば、漢字だけはある程度できれば良いとか、そういったものです。
学校の先生に態度が悪いと叱られたりせず、他の勉強をしているみんなに迷惑をかけない程度で、毎日学校に行く力があれば、成績が悪くても大丈夫です。必ず、進路は開けます。
無理やりに勉強する代わりに、自分の得意分野、自分の性格的特徴を活かす何かを見つける必要があります。必ず、どんな子にもそういった特徴があります。親や本人が、それに気づいてないだけです。勉強だけに着目してるから気づかないのです。
いろんな道が世の中にはあります。勉強中心の高校受験、大学受験ですら、勉強に努力を必要としない推薦で乗り切ることも全然可能です(但し、勉強とは違う方向で何かしら人より優れた部分が必要です)。
なかなか上がらない学校の成績に嘆く必要はありません。学校の成績が悪いからといって日々ストレスを感じる前に、「勉強」(ここでは、英数国理社の学校で習う知識)に頼らない、自分なりの将来戦略を立ててみましょう。