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小学低学年から塾に通うメリットと意外なデメリット

小学生の勉強

目次

勉強のために塾へ通わせる子供の低年齢化、幼稚園児まで!

中学受験も一般的になり、全国に中高一貫校の存在が定着しつつあります。私立だけでなく、各地で中学受験が過熱しています。それにともなって、受験を意識した塾は対象を低年齢化させて塾生の囲い込みに必死です。

一昔前は、4年生や5年生からで十分だった中学受験ですが、今や1年や2年生から通わせる親も多い。また、昔からある公文式学習塾でも、幼稚園児からを対象としたテキストが充実し、昨今の英語学習の低年齢化に合わせて、幼稚園児の生徒獲得にも必死だ。

実は私の子供も現在小学生なのだが、「お受験」を経験しました。地方在住なので、それほど競争は激しくないのですが、経営する塾は小学高学年からが中心の塾なので、知識を得るためにも一般的な幼稚園児対象の進学塾に通わせました。そこで、私自身も子供に付き添って一緒に授業を受けたのだが、そこでの印象は結構、「そこまでやるか。。」と思ってしまうものでした。

子供を追い詰める学習塾

お受験のための塾は、とても私にとって衝撃的でした。

数を数えたり、図形の見方を角度を変えたらどうなるか、問題文を聞いてどういうことを言っているかを判断できるか、などなどを「スピード」重視でどんどんと進めます。授業には緊張感があり、先生の厳しい言葉が飛びます。すべての子供が保護者同伴で、保護者が手助けする場面もあるのですが、保護者によってはできない子供を叱る場面も散見されました。

また、受験前は、追い込みと称して正月にまで授業をして、毎日のように似たような問題や過去問をその緊張感の中解かせます。

確かに、この対策をしている人としていない人とでは受験に対して差があることはあきらかでしょう。何も対策をせずに受験に臨むと、子供たちは問題に戸惑うことも想定できますし、慣れている子に比べて点数は低くて当然です。しかし、正直、私は我が子がかわいそうでした。事実、受験後、数年たった今でも息子は「もうあれと同じ経験は嫌だ」とたまに言います。

中学受験の場合は、これがさらにパワーアップします。大手塾の雰囲気は厳しく、競争をあおります。問題も難問が多く、塾に通わないと、とてもでないですが、解けないのです。大人でさえ初見では解けない難問だらけです。事実、私の塾でアルバイトとして働く、受験成功組みである国立大学医学部の学生でさえ、解答をみないと解けない問題が多数ありました。

そこで教育熱心な親は、この中学受験で成功しようと、この難問を解かせるために小学低学年から塾に通わせよう、早く受験問題に取り組ませてあげようとするわけです。

低学年から受験対策をするメリット

メリット1 難しい問題にたくさん出会える

勉強が得意な子にとって学校の問題は退屈です。学校の授業では全員に最低限のことを理解させようとするため発展的な問題に取り組む余裕はありません。そのため、能力が高い子はその力を持て余してしまいます。

その点、塾ではそのようなことはありません。難問はいくらでも用意してくれますし、大手塾は能力ごとにクラス分けをするため、退屈をする心配はあまりないでしょう。

メリット2 「刷り込み」が自然と進み、親にとっては安心感がある

大手塾に属していると安心感があります。中学受験をするにはこれをすれば大丈夫というものを提示してくれているわけですから親としはそこに高い授業料を払う価値があるわけです。そして、早くから塾に通っていると、子供たちは、「中学受験を受けるのは既定路線」という「刷り込み」ができます。

つまり、受験が生活の一部となり、受験勉強するのは当然という習慣ができます。習慣はとても大切で、難しい問題に出会っても、とりあえず取り組むことはしてくれるはずです。塾から宿題も出されるため、自然と学習量は増えます。複雑な計算にスムーズに取り組めたり、難問への戸惑いがないため机に向かって勉強することへの抵抗は少なくなるはずです。

事前に知っておきたい「デメリット」

デメリット1 自分から勉強しなくなる

勉強とは人から与えられたことをするものだ。と思うようになったらそこで成長は止まってしまいます。学校からの宿題、塾からの宿題で手一杯になると、自分の興味があることを掘り下げることができなくなり、それを自らあきらめることをしてしまいます。やはり、低学年のうちは、受験を意識しすぎることは危険です。遊びや心の余裕の中にこそ本当の勉強があります。「難しい問題を解くこと」が目的になっては本末転倒ではないでしょうか。

こうならないためには、受験を目指す場合でも、小学低学年(5年くらいまでは大丈夫)のうちは、友達と遊ぶこと、自分の趣味的なことをつきつめること、スポーツや音楽などの習い事を勉強より優先しても構わないという親の心の余裕が大切だと思います。

本当の勝負は、大学受験前の高校2年3年であることを忘れないようにしましょう。

デメリット2 恐ろしい「勉強嫌い」燃え尽き症候群になる

映画化までされた「ビリギャル」の主人公であるさやかさんは中学受験を経験して合格を果たしています。その後、中学受験勉強の反動でまったく勉強しなくなり、日本地図さえ書けないとんでもない「ビリ」にまで落ちました。

ここまで極端ではないにしろ、これは日常茶飯事にあることで、ネットでもこの「燃え尽き症候群」は話題になっています。

実は、小学校低学年から学習塾があるのは、塾側の生徒の「囲い込み」が目的です。

公文式も昔は計算に特化した塾で、そろばん塾の現代版でした。それが、他教科を教え、英語ができ、幼稚園児まで進出してきたのは、紛れもなく生徒の囲い込みが目的です。

中学受験塾もそうです。小学校低学年に解ける中学受験過去問などありません。そこまで前倒ししてする必要などまったくなく、中学受験勉強に本気で追い込みをかけるのは、小学6年秋からで、充分最難関校に合格することは可能なのです。

これは私だけなく、著名な中学受験専門家の方も言っています。芦田愛菜さんもそうですよね。短期間で最難関校に合格したと言われています。一般的に言っても、小学5年の始めくらいまでに中学受験対策を始めることで、あわてることもなく十分な受験準備ができます。私が知る限りそれより前より始めたから合格確率が上がるという感覚は受験関係者にはありません。

早くから、受験を意識させ子供を追い込み、勉強量にこだわりすぎると、それが「勉強嫌い」につながり、ひいては「燃え尽き症候群」につながることは間違いありません。

周りに流されず自分の家庭に合った結論を出す

塾業界や、中学受験業界の「誘導」に惑わされることなく決める

小学低学年の勉強は、親が片手間で簡単に見ることができます。英語でも大丈夫です。教え方がわからなくてもその気になればなんとかなります。本当は、毎日親子で勉強を進めることが理想でしょう。それが一番効果的で有効です。それが叶わない場合、塾を利用することも一つの手段だと思います。

しかし、塾での内容や様子には気を付けましょう。無理に前倒し教育を進めたり、嫌がるところを無理やり連れていったり、本当はやりたい習い事をあきらめたりする必要はないと思います。

中学受験を考える場合でも慌てる必要はまだありません。小学低学年からスタートしても、高学年からスタートしても、結果は変わらない。ならば、今のうちは、スポーツをして基礎体力をつけたり、興味があることを掘り下げる方が上ではないでしょうか。

 

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