中高一貫校は全国的に増加傾向
中高一貫校は各地で増え続け、
都市部での中学受験は、難関大学へ進学させたい親たちでは常識になっているように思います。
上記は文科省が作成した資料ですが、
一目で中高一貫校が大きく増えていることがわかります。
この傾向はしばらく続くかもしれません。
我が子に中高一貫校を受験させるべきか?
それとも今まで通り、公立中学校進学、高校受験でいくべきか?
迷っている親は、非常に多いのではないでしょうか?
そこで、
何を基準に、何を見て、どのように中学受験を判断すべきか?
当サイトなりの見解をまとめ、整理してみます。
中学受験を意識するのは小学4年頃、しかし悩む人は多い。。
まずは、
この記事を書くきっかけにもなった読者の方からのメッセージをご覧ください。
(地域が特定できないよう修正を当方で加えています)
初めてメールを送らせていただきます。小学校4年生の息子でいろいろ思い悩み、ネットで調べていたらこちらのサイトの記事にたどり着きました。色々と考えさせられる記事ばかりで一気読みしました。
比較的私立受験の多い地域に住んでいます。
公立中学校では非常に内申を取ることが難しいタイプの息子を中学受験させるかどうかのご相談です。早生まれで体つきも小さく幼い息子ですが、地元の公立中学校は、勉強しない子供も多く宿題もほとんど出ないようなので、勉強はまったく塾頼みです。
スポーツをやっていて活発ではありますが、手先不器用で音楽や図工も得意ではありません。通知表はオール普通。多分ギリギリ普通に入ってる感じだと思います。
計算は早くはないけど出来ますが、文章題が苦手です。今からがんばって低偏差値でも私立に入れるか、今から高校受験に焦点を合わせ5年かけてじっくり勉強するか悩んでいます。
周りは面倒見の良い私立、もしくはいっそ大学進学とうるさく言わない独自の教育方針をもったような学校への進学を薦めてきます。中学受験ではさほど難しくない学校でも高校から入るのに相当の内申が必要であることを知り、息子のようなタイプはどうしたら将来の選択肢を少しでも広げてあげられるのかと親として悩んでいます。
どこかのタイミングで受験しなくてはいけないのですが、見極めが分からず、息子が中学受験に耐えられるのかと親の覚悟もなかなか出来ず、かといって、公立で勉強しない雰囲気に流されたら更に厳しい状況になるのではと危惧しております。
是非アドバイスをよろしくお願いいたします!お悩み相談
このご質問にお答えする形で
「中学受験」をどうするか?を考えてみたいと思います。
この質問にあるように
中学受験させたいのだけれでも
成績がふるわないのに受験させても大丈夫か?
と悩まれている方は非常に多いと思います。
上記のように、中高一貫校が増えているこの時代ですから
少々成績が悪くても、合格する学校を見つけることはできます。
都会では私立の学校が多くあるので上位から下位まで幅広く学校があり、
地方では、私立学校は人数を集めるこに四苦八苦で、成績よりも生徒確保に余念がない学校がどの地域にもあります。
また、
公立中学校に進学した場合、
塾費に私立へ進学させた場合より、たくさんのお金がかかるとする
データもあります。
これは、さまざまな要因が考えられるため一概に公立中学の教育が不十分とは思いませんが、
親の意識としては、私立の方が教育が充実しているという意識があるのでしょう。
では、
何を基準に受験を判断すれば良いのか?
私のおすすめは、
いかに実績の多い、偏差値の高い中学へ進学するかよりも、
勉強に対して
を基準にすることです。
この
「適度な負荷」
がすべてと言っても過言ではありません。
負荷がかかりすぎると、当ブログの他記事にもある、学習に対して「無力感」に陥り、
勉強がどんどんと嫌いになります。また、学習が遅れても本人が気にならなくなります。
これは最悪です。
また、
負荷が軽すぎると、能力が発揮できず、やる気になったときに、選択肢が限られてしまう結果になります。怠け癖がつきます。
ただ、この
「負荷」
ですが、
世の中にかなりの誤解が浸透しています。
質問文にある
公立中学校では非常に内申を取ることが難しいタイプの息子を中学受験させるかどうかのご相談です。
地元の公立中学校は、勉強しない子供も多く宿題もほとんど出ないようなので、勉強はまったく塾頼みです。
ですが、
学校でも塾でも親は宿題がたくさん必要と考えがちですが、
まず、宿題は負荷ではありません。そして、まわりに勉強をしない子が多くいても
頑張っている子もいるはずです。
ここでの負荷とは、自分で考え、何かに向かって前向きに乗り越えていくための障害です。
高校受験はとても適度な子供たちへの負荷になる
負荷を乗り越えていくとは、
例えば、この学校で〇〇番をとりたい。だから家でテストのための勉強をする。
自ら考えて、どこを解く、何をするかを決める。必要ならば塾へ行く。
そして、目標を目指し、目的を達成する。
のような状態で、
これは、勉強を他人からやらさせることでは生まれません。
宿題は、自らやる気と目的を持って取り組まないと(何かを上達させるや達成するために)
意味が全くと言っていいほどありません。
残念ながら、学校の成績は、生まれながらにして勉強が得意な子が上位をとってしまい、
努力と比例しないところが悔しいところですが、
上記のような、適切な負荷がかかりながら、
目標を達成したり、失敗→再挑戦を繰り返しながら、子供たちは成長していきます。
そういう意味で高校受験は、どの子供たちにとっても適切な負荷になることができます。
そして、
たとえ内申(学校の成績)が良くなくても、自然と自分に合った高校が見つかるものです。
もし、それが底辺高校だったとしても、その中で学習に励み上位にいれば必ず道が開けます。
(そのような子供たちを私は何人も見てきました)
中学受験を目指す人の中には、「高校受験」を避けるために「中学受験」を選択する人がいます。
これは大きな誤解です。
「高校受験」は、年齢的にもとても良い負荷になり、自分に合った道を選択する良い機会になります。
中学受験のある中高一貫校に適した人は?
では、どうして多くの人が中学受験を選択するのでしょう。
それは、
ほとんどの中学受験がある中高一貫校の目的が、
にあるからです。
しかし、
この先取り学習に意味があるのは、
国立難関大学、もしくはそれに準じる学部や、私立大学を目指す能力があると感じられる小学生だけです。
わたしが知る限り、それ以外の生徒に先取り学習はあまり意味を感じません。
しかし、中高一貫校を外から見ていると、小学生を持つ家庭は、
高校受験に無駄を感じ、先取り学習に魅力を感じてしまいます。
(私も一児の親なので気持ちはよくわかりますが)
数学や英語、国語の本質を理解しないまま、先取り学習をしたって何の意味もないのです。
例えば、中学英語レベルの英作文がまともにできない子供に仮定法過去なんて教えてもなんの意味もなく、
一次関数や二次関数の複合問題に四苦八苦している生徒に三角関数なんて理解できるはずがありません。
中高一貫校では理解できる生徒が一部にも関わらず、中3の時点では平気で高校数学や英語の学習をさせます。早く終わらせれば後が楽だと信じているからです。またはその学校の上位の生徒だけを伸ばすためです。(結局はあとでもう一度基礎からやり直すはめになるのですが)
ついていけない生徒には非常に苦痛でしょう。
しかも、どの学校もついていけていない生徒が多数派なのです。
すみません。話が脱線気味になりました。
ここで質問に戻ります。
スポーツをやっていて活発ではありますが、手先不器用で音楽や図工も得意ではありません。
スポーツをすることも、そしてそこで活躍することも
捨てがたいことなので、それを優先することも一つの選択肢ではと思ってしまいます。
スポーツで身をたてることはできないかもしれませんが、
そこで手に入れた人間力は、学校の成績をはるかに超えてその後の人生に役立っている人を多く見かけます。
今からがんばって低偏差値でも私立に入れるか、今から高校受験に焦点を合わせ5年かけてじっくり勉強するか悩んでいます。
一部の高偏差値高校は別として、中学受験を選択したい場合は、校風や教育方針を重視された方が良いのではないでしょうか?入学後に下位にならないで中上位でいれることも大切だと思います。
どこかのタイミングで受験しなくてはいけないのですが、見極めが分からず、息子が中学受験に耐えられるのか
理想は高校受験にかけることだと思いますが、子供が挑戦したいという気持ちがあれば中学受験は良い経験にはなると思います。(落ちた時のフォローが大切ですが)
質問文の様子を拝見すると、
お子さんは、成長が遅い方なのかもしれません。
中学時代に成績が良い方向へ変わっていく可能性もあります。(特に国語力は成長に個人差があります)
マンガや雑誌でも構わないので、活字から離れないような工夫を続けてもらいたいです。
ちなみに
中学受験ではさほど難しくない学校でも高校から入るのに相当の内申が必要であることを知り、息子のようなタイプはどうしたら将来の選択肢を少しでも広げてあげられるのかと親として悩んでいます。
とありますが、
私立にその傾向は強いと思います。
高校からの入学は、学習スピードが他の公立高校よりも速いところが多いため、学習が得意、もしくは圧倒的な得意教科を持っている人を学校も受け入れたいのだと思います。
将来の選択肢を広げるにはやはり高校受験ではないでしょうか?
もし、商業や工業高校を選択したとしてもあらゆる大学に入学が可能な時代です。
まとめ
迷うのは仕方がないことだと思います。
ご家族で納得するまで悩んで、
決定した事項は、それが最善の策だったと信じて突き進んでもらいたいです。
どの学校を選んでも長所と短所はあると思います。
もし、大企業に就職させたい、安定した仕事につきたいと思うのであれば、偏差値の高い大学へ進むことはやはり近道ですが、それは叶わない場合(持って生まれた能力に影響される)も多いため、
可能性が低いなと思えば、下位校でも上位、あわよくばトップを目指せる学校をお勧めします。
どのような学校でも、その中で上位でいると良い選択肢に恵まれることが多いです(経験上)
看護師、公務員など資格試験等を目指す場合は、それに特化した塾で鍛えることができます。
希望の高校や大学に行けなくても、本人の努力次第でいかようにもできるのが資格だと思います。
やはり、結局は、自分の好きなことを見つけてそれに継続して取り組むことができる人が最後は強いのではないかと思います。
人より何か自信が持てること、いかにそれを伸ばすか?
それが勉強ではなくても、目標をしっかり決め、突き進むことができる人は
最後に良い就職であったり、選択ができているような気がします。
学校は、ある意味「縁」で、進学したところで頑張れば、正解も間違いもないのかもしれません。
中学受験を「する」「しない」
は学力に関わらず、そこで頑張ることができる気持ちを作れるか作れないかにかかっているように思います。