当ブログにメッセージを頂きました。

中学受験に関する悩みです。
この種の悩みはたいへん多いので公開させて頂くことに致しました。


(すぐに記載されたメールアドレスにお返事しましたが、それに対するお返事がないため公開させていただくことを決意しました。もし、質問者の方がご覧になり、公開中止をしたい場合はもう一度メッセージください)

ここからメッセージ本文です。

初めまして。 
ブログを拝見し、大変参考になりました。
ご相談させてください。
小学五年生の女子の父です。

学校の成績そんなに悪くはないんですが
周りの影響もあり、3年生の後半から大手塾に行きはじめました。

現在はクラスランク一番下にいます。

本人は学校から帰ると、毎日塾の宿題を母親に口を酸っぱく言われて
どうにかこうにかこなす日々です。

母親はせっかくお金を掛けて塾に行ってるのに塾の成績も上がらず、
毎日小言を言い続けるのがストレスで怒ってばかりいる様子です。

正直、家庭学習は本人任せにしているのは正直なところです。
本人は塾に通うことは楽しいらしいのです。

親としても中学受験は今後のことも考えて受けさせたい のですが、
今の塾がストレスになっているのであれば、
今の塾を一旦辞めて学習方法を変えて みるとか考え中です。

親の遺伝という面で考えると算数苦手で、
お勉強もあまり得意ではなかった私の遺伝子なので 期待値は低いんですが、

学習方法で目指す目標が見つかった時にあきらめずに立ち向かえる能力
を 付けさせたいと願っています。

「勉強しなさい」母親が言い、
テレビが見たくておやつを食べてゴロゴロしている娘と言い合いになる 日々は
そろそろ限界を感じています。

まとまりのない文章ですみません。娘本人が傷つかず、
母親とも良好にやっていける学習方法の事例が あればぜひご教授ください。

宜しくお願い致します。



この質問に対する私の回答です。



ブログをお読み頂きありがとうございます。
私のできる限りのお答えをさせていただければと思います。
このケースに似たような家庭を私はたくさん経験してきたつもりです。



>期待値は低いんですが、学習方法で目指す目標が見つかった時にあきらめずに立ち向
>かえる能力を
>付けさせたいと願っています。


とありますが、

ここの部分はとてもお気持ちがよくわかります。

私も小2の息子を持っていますが、同じような気持ちでいます。



しかし、問題はその手段です。

実は、中学受験や、そのために塾に通うことは、子供にとって、上記願いの逆効果になりかねません。


私が思うに、中高一貫校による、

知識前倒しの教育は、
一部の優秀な生徒(私の経験上では上位10~20%まで)に


適したものであり、それ以外の生徒にはむしろ害にさえなりうると思っています。


なぜなら、

勉強とは何かを習得する前に、難解な問題ばかりを押し付けられるからです。
それを才能なしで潜り抜けていくことは容易ではありません。


本当に、

「目指す目標が見つかった時にあきらめずに立ち向かえる能力」

をつけたいのであれば、

文科省の定める、一般の公立小学校、公立中学校の

基礎知識、そして基礎理解を徹底的に小、中学校でするべきです。


しかも、子供たちが主体的に取り組めるよう、興味を持たせ、勉強嫌いにならないよう、勉強の楽しさの本質を教えます。


けなしたり、無理やりは逆効果です。

それが、「目指す目標が見つかった時にあきらめずに立ち向かえる能力」を育みます。

もし、難関大学を狙いたいと本気で子供自身が思い、
その能力が育っていれば、高校のうち
2年もあれば十分に勉強する時間はあります。

つまり、高校1年までに基礎と呼ばれる知識と技術と精神力が身についていれば、そこ
からは本人次第でどのようにもなります。




それでも、高校受験にデメリットを感じ、中高一貫校に進学させたい場合は、

勉強嫌いにならないように、勉強の押し付けはせず、いかに自分から勉強に取り組みたいと思わせるかを親が工夫し続けなければいけません。

学校の授業や宿題に必ずしもついていく必要はなく、

本人の能力に合わせ、

学校の課題も含めた取捨選択を親がしてあげてほしいです。


親が子供に怒ることは、親にとって楽なことです。
怒って勉強してくれるならこれほど楽なことはありません。

「勉強しなさい」「ゴロゴロするな」は親の感情を押し付けているにすぎず、

戦略的でもなければ、付け焼刃の対応であり、
何の意味も持たないことを親が理解しなくてはなりません。

意味のない勉強を長々しても、害でしかないのです。

勉強に興味を持たせたり、嫌いにならないよう工夫するには、

親も汗をかかなければいけません。


その汗は、決して無駄にはならないでしょう。

ただ怒るだけではそれが、無駄になってしまいます。

もちろん、時には、厳しくしかることも必要だと思いますが、基本的には怒る必要がないように持っていきたいところです。


まずは、子供自身が、中学受験に興味を持ち、力試しをしてみたいと言い出せる状況を作らなくてはいけません。

同じ目標に向かって、一緒に頑張ろうと家族で言える雰囲気作りです。

例えば、塾の宿題ですが、半分は本人のためですが、

半分は、親を納得させるためにあります。



親は宿題がたくさんあれば安心するからです。
子供がそれを一生懸命やっていると、それだけでとても満足です。

しかし、塾の宿題は、やったところで、その時間をかけた分だけの成果があがっているか疑問です。

わからない問題は時間をかけて考えず飛ばしたり、
計算だけ何も考えずひたすら解いたり、漢字の練習だけとか。。。。

それでは、本人が、自分のわからないところを知りたいと思い、
必死で調べて解きあげた一問に、

成果は、到底叶わないのです。

余計な問題を解くぐらいなら、テレビを見て世の中の知識を吸収し、ゴロゴロしてスト
レス発散や疲れをとっていたほうがましです。


集合塾が、個々の生徒のレベルに合った、奥深い問題、宿題を、毎回出せているはずはありませんし、不可能です。
それができるのは「よほど有能な」個別指導の講師か、家庭教師のごく一部でしょう。


私なら、問題を見て、本人に合わないレベルの問題は解かなくてよいと言います。
(塾の宿題の場合です。学校の宿題は解かせます)


簡単すぎる部分、難しすぎる部分を除き、
少し頑張ればできる問題、20分から30分、長くても1時間集中すれば解ける問題を選んであげるのです。
ヒントを出しながら一緒に解けるとなおいいでしょう。

中学受験のための塾の宿題を、忙しい中、親が教えて苦労している人はたいへん多いよ
うです。

優秀な生徒は、一人で何時間も勉強できる生徒もいます。

それは、勉強が楽しかったり、達成感があるからです。

そもそも理解する力に長けていますし、また、勉強そのものと相性が合うのでしょう。

すべての子がそういうわけにはいきません。

世の中には天才はたくさんいます。
(アメリカではギフテッドと呼ばれ、一説には人口の10%とか)


もう一度いいますが、

「目指す目標が見つかった時にあきらめずに立ち向かえる能力」

をつけるには、私は、基礎こそが本当に大切だと思います。
中学受験テクニックにあまり意味はないのです。

割り算の意味、掛け算の意味、割合や速さの意味を体でつかむのです。

それすらできていないで、
中学受験に挑戦している子供たちは悲劇に思えてしまいます。

基礎だけでもしっかり理解して、自分の身の丈に合った学校に進学してもらいたいもの
です。

勝負は高校卒業時ですから。



そして、

もうひとつの問題は、

お母さんにこのことをどうわかっていただくかですよね。

多分、お父さんは、私のブログに興味を持っていただいた時点で、私の意見に賛同して
くださる部分をお持ちなのだと思います。

私の想像ではお母さんにはわかっていただけないような。。。。

現実的な選択肢として、

まず、塾をやめる必要はないのではないでしょうか。

本人が「楽しい」と言っているのであれば大丈夫ではないかと思われます。

そして、息抜きの時間と、集中する時間を家族で決めることができるといいですね。

勉強は、やはり今はやりのリビングで家族と一緒がいいでしょう。
まだ、5年生ですし、時間も長時間でなくても良いと思います。

少々集中していなくても、ほっておけるくらいの余裕がほしいですね。
親の思い通りに学習が進む家庭などごくわずかです。

みなさん、子供に少しでも上を要求するからです。
少しでも頑張っていたら褒めてあげてほしいです。


量が多く宿題ができなければ、答えを写すか、ポイントだけ親が教えるか、
バランスが大切になってきます。
(塾の先生に叱られても量が多すぎると判断できる場合はいいと思います)

集中して勉強する時間が学校の宿題以外に毎日1時間もあれば十分だと私は思います。
塾の先生には、親が「全部できなくて良い」といったでいいのですが。
親の立場の方が塾より上ですから


あと、お金についてですが

もし、お母さんの、
「高い塾費を払って成績が上がらない」という考え方が治らないようだと、

塾をやめた方が良い


かもしれません。

中学受験の場合、高い塾費は、情報と環境を買っているのです。

中学受験の問題は特殊ですから、どうしても大手塾が持つ情報が必要になってきます。


そして、成績が上がらないのは仕方がないことです。周りとの相対評価なのですから。

できるようになった問題もあるはずです。それを見てあげてほしいですね。


また、

偏差値は「気にしない」ことです。劣等感しか生まれません。
あくまで、学校選択の目安であり、才能評価につなげてはいけません。

偏差値が本当に意味を持つのは高校生の後半、しかも受験直前と考えて大丈夫です。
成長には個人差があり、全国的にみると中学受験は少数派にすぎず、
しかもたくさんの天才が受けています。


自然と、偏差値50のラインは上がる仕組みです。天才は勉強するほど伸びも早いです。
比較すると子供がかわいそうです。



親がある程度子供を持ち上げながら、
好きな教科、単元を伸ばしてあげられるといいですね。
得意な部分に少しでも成果が出る方が、子供の今後の力になるはずです。
テストに出ないことまで知っているくらい。

英語や理科、社会を人より得意にして自信を持たせてあげるほうが、
算数に苦手意識を刷り込むより意味があることです。



中学受験の場合、算数の苦手は致命傷になりますが、
計算問題や簡単な図形問題、速さや割合の概念だけでも
しっかり練習したいところです。

お子さんに適した学校はあるはずです。

くれぐれも世間体や偏差値より、子供の適性を見てあげて、
学校を選んであげてほしいです。


もし、少しでも私の意見が参考になれば幸いです。
また、もし気分を害されましたらご容赦下さい。


財部真一